上星川だよりー高遠菜穂子さんの講演会に行きました。
8月5日、行田市教育文化センター「みらい」文化ホールで、一時イラクで拘束され、その後解放された高遠菜穂子さんの講演会が、「平和のための行田戦争展実行委員会」の主催で開催されました。
501席の文化ホールは、ほぼ満席の状態で、スライドやDVDで投影される無残な死者の映像に、「直視できない人は(顔を)伏せて下さい」と、高遠さんは何度となく前置きしながら、イラクの現実(ブツシュ大統領言うところの対テロとの戦争)をスクリーンに映し出していました。
行田戦争展は、毎年お盆の時期に、戦争体験を風化させず平和の誓いを新たにするものとして
企画され、戦時品の展示や、諸行事を実施してきました。今年は、企画展示に変わって高遠さんの講演会となったものですが、これが良かったように思います。実行委員の皆さんに感謝致します。
このところ、イラク現地からの報道(といっても日本のテレビ・新聞ですが)に、接していないと実感しているのは私だけではないでしょう。
実際、橋田信介さんが殺害されるなど、フリーのジャーナリストやカメラマンは、米軍に睨まれれば事も無く抹殺されてしまうでしょう。 大手メディアはとうに撤退し、現地の様子が伝わるのは、サマワの自衛隊からというのでは、なんとなく身震いを感じます。
米軍は、民家に押し入り、「パソコンを壊す。CDを割る」現地のメディアも映像を流せない。そんな中、大量にコピーされたものの中から高遠さんの手元に届いたものが、私たちの目の前で映し出され、強烈にアピールします。戦後生まれの自民党の政治家が、テレビの討論番組で日本軍が大陸で行った戦争を、「後世の歴史家が判断する」と述べたが、この映像を見ても「サマワは安全だ、自衛隊はイラクの復興に取り組んでいる」というに違いない。8月6日は、広島原爆忌。あの日から60年が経って、歴史の語り部が少なくなっている「私たちが語り継ごう」とがんばっている人々がいます。
高遠さんも、8月4日はさいたま市、5日行田、6日名古屋、7日千葉市・・・と講演日程がびっしり詰まっているそうです。(司会者の紹介)
講演の後の質問に答えて高遠さんが語ったのは、拘束されたのは「過激派武装勢力ではなく、殺害された被害者家族」だったということでした。「護衛用にビストルを持って拘束された人は、射殺された」、私たちは「丸腰」だったから助かった。戦場では先に相手を殺さなければやられる。武器を持っていても身を守れないということでした。
講演の最後に、イラク「命の水」支援プロジェクトの紹介があり、これへの募金が訴えられました。
同プロジエクトへの、アクセス、高遠菜穂子さんのblogは、下記の通り。
イラク「命の水」支援プロジェクト(URL)
http://blog.livedoor.jp/iraqhope/ (随時更新しています。みなさまのご協力をお待ちしております。)
http://iraqhope.exblog.jp/ (イラク・ホープ・ダイアリー)
コメント 0